KDDI株式会社とは?まず要点
KDDI株式会社は、東京都千代田区に本社を置く総合通信会社です。携帯電話「au」ブランドを中心にライフデザイン事業を展開しつつ、金融・エネルギー・放送など多角化しています。最大の強みは、個人向けの通信サービスだけでなく、IoT・データセンター・衛星通信など法人向けにも広く展開していることです。2024年3月期と2025年3月期の業績では、売上高と純利益が増加傾向にありました。ただし、2026年3月期については経常益の予想値が公開されていません。会社は新規事業の育成や既存事業の強化に注力しており、将来的にはこれらの取り組みが業績に貢献することが期待されています。
どんな事業をしているの?
KDDI株式会社の主な事業セグメントは、個人向け通信サービス(au)、法人向けサービス(IoT、データセンター、衛星通信など)、金融サービス(auじぶん銀行、auフィナンシャルなど)、エネルギー事業(auでんき)、放送事業(JCOM)などです。個人向けの通信サービスは、auブランドで提供されています。また、IoTやデータセンター、衛星通信(Starlink連携)などの法人向けサービスも強みとしています。金融サービスでは、auじぶん銀行やauフィナンシャルなどのサービスを提供しています。エネルギー事業では、auでんきを展開しています。放送事業では、JCOMを通じてサービスを提供しています。多角化が進んでおり、さまざまな分野で活躍しています。
業績の推移(過去4期の比較)
| 決算期 | 売上高 | 経常益 | 純利益 | 1株益 | 1株配 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024年3月 | 56,997億円 | 9,431億円 | 6,002億円 | 141.8円 | 70.0円 |
| 2025年3月 | 58,355億円 | 10,734億円 | 6,554億円 | 161.9円 | 72.5円 |
| 2026年3月(予定) | 60,600億円 | - | 6,980億円 | 183.3円 | 80.0円 |
| 2024年3月期と2025年3月期では、売上高が前年比+2.5%、+3.1%増加しました。また、純利益も前年比+9.2%、+10.3%増加しました。1株益と1株配も増加傾向にあり、株主への還元が行われていることがわかります。ただし、2026年3月期については経常益の予想値が公開されていません。 |
KDDI株式会社が今、挑戦していること
KDDI株式会社は、中期経営計画において、5GやIoTを活用した新しいビジネスの創出や、データセンター事業の拡大を掲げています。また、サステナビリティにも注力しており、2040年度末までにサプライチェーン全体でのネットゼロ達成を目指しています。さらに、スマホ依存問題への対策や、地域社会との共創にも取り組んでいます。近年の業績悪化については、会社は新規事業の育成や既存事業の強化に注力しており、将来的にはこれらの取り組みが業績に貢献することが期待されています。業界全体の状況としては、5GやIoTの技術革新が進んでおり、新しいビジネスの創出が期待されています。
主要な財務指標(初心者向けに丁寧に)
- 時価総額:10兆5,890億円(2026年5月7日時点)
- PER:13.8倍(2026年5月8日時点)
- PBR:1.95倍(2026年5月7日時点)
- 配当利回り:3.16%(2026年5月8日時点)
PER(株価収益率)は、株価÷1株益で計算されます。低いほど割安と判断されやすいですが、一般的な目安は10〜20倍です。PBR(株価純資産倍率)は、株価÷1株純資産で計算されます。株主資本への信頼の指標であり、一般的な目安は0.5〜2.0倍です。配当利回りは、1株配当÷株価で計算されます。3.16%は、一般的な目安としては高配当と言えるでしょう。
通信の会社は、なぜ数字が読みやすいのか
この業種は、決算を読む練習をするのに向いていると私は考えています。理由は、毎月決まった料金が積み上がる商売だからです。
積み上がる商売の特徴
売り切りの商品と違い、契約している人が使い続けるかぎり収入が入ります。急に倍にはなりませんが、急にゼロにもなりません。業績が読みやすく、急激な変動が起きにくい構造です。
だから見るべきなのは、その月の売上より契約している人の数と、一人あたりの単価です。人数が減っていないか、単価が下がっていないか。この二つの掛け算が土台になります。
設備にかかる負担が重い
一方で、通信は設備がなければ成り立ちません。基地局や回線への投資が継続的に必要で、作っても作らなくても出ていく費用を大きく抱えます。
新しい通信規格が登場するたび、大きな投資が発生します。投資の時期には利益が圧迫され、投資が一巡すると回復する。この波を知らないと、一時的な数字の落ち込みを実力の低下と読み違えます。
通信以外をどれだけ育てているか
人口が減り、料金競争も進む中で、通信だけに頼る形からの脱却が各社の課題とされています。金融や電力、生活に関わる分野へ広げる動きです。
決算の資料で事業ごとの内訳を見ると、通信以外がどれくらい育っているかが分かります。ここが伸びているかどうかは、この業種を長い目で見るときの分かれ目になります。
経理の目線:安定と成長は両立しにくい
積み上がる商売は安定していますが、裏返せば急な成長も起きにくいということです。
配当を重視する投資家に好まれやすい一方、大きく値上がりする期待は持ちにくい。どちらを求めるかで、この会社の評価は変わります。良い会社かどうかではなく、自分が何を求めているかの問題です。
配当の仕組みそのものは配当金はいつ、どうやって受け取る?に、利益をどれだけ配っているかの見方も併せてまとめました。
積み上がる商売の、お金の回り方
契約が続くかぎり収入が入る商売は、現金の流れも安定します。ここが設備の売り切りとの大きな違いです。
毎月一定の入金があるので、先の資金繰りが読めます。読めるからこそ、重い設備投資に踏み切れるという関係になっています。
減価償却という言葉に慣れておく
基地局や設備は、買った年に全額が費用になるわけではありません。使う年数に分けて少しずつ費用にしていきます。この処理を減価償却と呼びます。
つまり、現金は先に出ているのに、費用は後から少しずつ計上されるという状態が生まれます。逆に言えば、費用として計上されている年には、もう現金は出ていません。
この業種の決算を読むとき、利益の額だけでなく現金の増減も見ると景色が変わります。利益が小さくても現金は潤沢、という状態があり得るからです。
配当を続けられるかは、現金で見る
配当は現金で支払うものです。だから、利益が出ているかより、現金が入ってきているかのほうが継続性に直結します。
私はこの業種を見るとき、営業活動で得た現金と、設備投資に使った現金の差を気にします。差し引きで残るものがあれば、そこから配当や借入の返済に回せる。残らない年が続くなら、どこかに無理が出ます。
通信の会社で、私が気にしているリスク
安定しているからこそ、揺らぐときの要因は限られます。
料金競争。 政策や他社の動きで料金水準が下がると、契約数が変わらなくても収入が減ります。一人あたりの単価を見る理由はここにあります。
通信が止まったときの影響。 生活の基盤になっているぶん、障害が起きたときの影響は大きく、信頼の回復にも時間がかかります。設備への投資を絞りすぎることの危うさは、この点に表れます。
新しい分野が、本業を補えるほど育つか。 金融や電力といった領域は、それぞれに強い競合がいます。参入したことと、稼げるようになることは別です。
決算の資料で分野ごとの内訳を追い、通信以外の比重が年々どう動いているかを見る。これがこの業種で私が続けている確認の仕方です。
この業種は、決算を読む練習に向いている
最後に、初心者へのすすめ方を書いておきます。
売上の構造が単純で、変化がゆるやかです。 契約している人の数と、一人あたりの単価。この二つの掛け算が土台なので、何が原因で数字が動いたのかを追いやすい。
急激に伸びる会社は、伸びの理由が複雑で追いきれないことがあります。ゆっくり動く会社のほうが、読み方の練習にはなります。
型を覚えてから、波の大きい業種や事業の広い業種に進む。私はこの順番で練習しました。読み方の基本は決算短信で最初に見る5つの数字にまとめています。
配当を目的に見るときの注意
この業種は配当を重視する人に選ばれやすいので、その視点でも書いておきます。
過去に配当を続けてきた実績は、将来の約束ではありません。 業績が落ちれば見直される可能性はあります。実績は参考にはなりますが、根拠にはなりません。
確かめたいのは、その配当を無理なく払える状態かという点です。利益に対して配りすぎていないか、現金がきちんと入ってきているか。この見方は配当金はいつ、どうやって受け取る?にまとめました。
そしてもうひとつ。配当を受け取るときには税金が引かれます。 表示されている利回りがそのまま手元に残るわけではない、という点は最初に押さえておいてください。
まとめ:KDDI株式会社を見るときの3つのポイント
KDDI株式会社は、個人向けの通信サービス「au」から金融・エネルギー・放送まで多角化した総合通信会社です。最大の強みは、個人向けの通信サービスだけでなく、IoT・データセンター・衛星通信など法人向けにも広く展開していることです。また、5GやIoTを活用した新しいビジネスの創出や、データセンター事業の拡大を掲げています。サステナビリティにも注力しており、2040年度末までにサプライチェーン全体でのネットゼロ達成を目指しています。個別株を始めるなら、まずは証券口座から。楽天証券・SBI証券はどちらも口座開設無料で、決算短信や有価証券報告書も無料で読めます。気になる会社の数字を、自分の目で確かめてみませんか?
データ出典
- IR Bank(取得日:2026-05-08) https://irbank.net/9433
- KDDI株式会社 公式IRページ https://www.kddi.com/corporate/ir/
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※本記事は公開情報に基づく企業紹介であり、投資助言ではありません。投資判断は読者の自己責任でお願いします。